安田先生からの問いかけ
急激な変化の中で、私たち人間は沿岸生態系とどのように付き合っていけば良いのだろうか?
自分が海の生き物だったらどの様に感じるだろうか?
一般社団法人SWiTCH
日本生態学会
日本サンゴ礁学会
⽇本財団
海と日本PROJECT
人類が地球1個で暮らしていくために、若者が企業に期待することを話し合い、意見を発信する「SWiTCH CHAT for actions」の第2回目として開催。アカデミアトップからの「海の環境問題」に関するレクチャー、参加者同士によるロールプレイングなどのディスカッション、最後の発表とコメントを通じて、「海の環境問題」に対して新しい視座や考え方を参加者が得られる機会を提供した。
14:00 - 14:20 |
SWiTCH 佐座「開会の挨拶」当プロジェクト説明, 地球1つで暮らしていくための参考情報 - UNEP「GEO6 for Youth」等 |
---|---|
14:20 - 15:00 |
安田先生からのレクチャー・Q&A |
15:00 - 15:40 |
参加者同士のグループワーク |
15:40 - 15:50 |
SWiTCH 佐座「閉会の挨拶」 |
15:50 - 16:00 |
意識調査 |
東京大学 大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻 水域保全学研究室 教授 東京大学農学生命科学研究科、生圏システム学教授。日本学術会議連携会員、若手アカデミー副代表、Global Young Academyメンバー。日本サンゴ礁学会川口賞受賞。サンゴ礁生態系の保全に向けて、気候変動におけるサンゴのレフュージア(避難所)やサンゴを食べるオニヒトデの世界各地の大量発生がどのように起きるのかなどを初期生態を中心に野外調査や室内実験、遺伝子解析などにより研究をしています。
1995年生まれ。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン大学院サステナブル・ディベロプメントコース卒。Mock COPグローバルコーディネーターとして、140ヵ国の環境専門の若者をまとめ、COP26と各国首相に本格的な18の政策提言を行い、世界的な注目を浴びる。COP26日本ユース代表。
急激な変化の中で、私たち人間は沿岸生態系とどのように付き合っていけば良いのだろうか?
自分が海の生き物だったらどの様に感じるだろうか?
研究をするにあたって、地元の方に対して気を遣って行ったことはありますか?
研究する際は、基本的に全てのステークホルダーに確認をとってから行います。サンゴの採集などにおいては、必要なサンプルを最低限とっておくことなどに気をつけています。
また、研究者達の中でルールを別途定めるケースもあります。
そこの地域のステークホルダーがしていることで生態系にダメージが起こっていた場合などは、どうされているのでしょうか?
ステークホルダー同士の人間関係が良好でないと生態系の保全も上手くいかないことが多いです。ステークホルダーの意志が揃わないと、海の保全はなかなか上手くいきません。ルールを守らないことというのは、お互いの理解が得られていないからだと思いますが、人間社会の調和が環境保全に一番大事なことだと思っています。
効果的な活動以外が一概にムダな訳ではありません。その活動をしたことが入口となり、人の意識を変え、海の環境変化への気付きになることもあります。何を最終目的にするかで変わると思います。一生懸命に守ろうとしている人がいれば、みんなで話し合い、調和を持って取り組んで行けば良いと思います。
企業が保護する仕組みで上手くいっているものは?
例えば宮崎県は様々なステークホルダーが協力し合う場をうまく作ることができていると思います。保全活動をする上で、多くの人の関心を集めるということが重要になります。自治体の人や、漁業者やダイビングショップ、一般の方や学生、ボランティアが協力し、海を保全する活動を伝えることで意識を変えるという場面も目にしました。
直接的な保全に関しては、「Jブルークレジット」もWIN-WINになれるというのは大事ですし、企業側がお金を出したことによる成果がしっかりと得られるとポジティブなループになり続いていくということも聞きました。
個人的には温帯域でアマモを育てるというのは、これから海水温が上がっていく中で厳しいと感じます。人間が負荷を減らした状態で自然に任せるべきなのではないかと思います。年によって育つか否かの状態も大きく変わるので、しっかりとモニタリングし現状に向き合いながら、軌道修正をして進めていく必要があると感じます。
グループのメンバーで①漁師 ②地元住民 ③海藻 ④サンゴ ⑤熱帯魚それぞれの立場に立ち、その登場人物になりきってロールプレイゲーム。
ワークシートを共有し、3〜5人ずつのグループに分かれて3つの問いをワークシートを使いながら個人、グループで考え、話し合った。
STEP1 | それぞれの登場人物にとっての「理想の海」とは?
STEP2 | それぞれの登場人物の「理想の海」になった場合、生態系はどうなる?
STEP3 | 自分個人の暮らしや仕事の中で海の生態系を守るために何ができる?
まず初めにサンゴは人間が手を加えにくいものだけど海藻は人間が手を加えやすいものであるという話が出た。
そのため、海はサンゴに明け渡し、海藻や魚は陸上で養殖をし、完全に棲み分けをするのも良いのではないかと言う案が出た。
人間は地域全体、日本全体、世界全体で海への当事者意識を高めていくことが必要であると考えた。
マイクロプラスチックが 洗剤など気づかないうちに色々なところに含まれている。最近では天然由来のものではなく、科学的に合成した繊維を使うことが多いため、海へのリスクを考えると繊維業界では問題視されているのではないか。
物質的な観点で見ても海や自然への影響があると言うことに気がついた。
漁師と地元住民の対立が一番大きな問題になるのではないかと言う結論になった。
漁師は魚を取りたいため、サンゴに配慮しないが、地元住民は綺麗で品の良い海のためにもサンゴを守りたいと思う。
両者でしっかりとガイドラインを作りながら進めていくことが必要である。