株式会社 明治
木原 純 氏
皆さまとともに創り上げた、カカオの未来を考える幸せな空間に感謝
一般社団法人SWiTCH
株式会社 明治
1つのセッションは、3つのワークショップとディスカッションで構成、入れ替え制で全3セッションを実施した。「アグロフォレストリー」「透明性」「資源の循環」の3つのワークショップエリアで、各10名ずつが20分のワークショップを体験。1時間で3つのワークショップを体験できる仕組みで実施した。
ワークショップ後は、参加者全員が参加しての、カカオについてのレクチャーとディスカッションを30分開催し、オンラインアプリを利用し、参加者全員から感想や意見を集めた。
日本では「チョコレート」の原材料として知られているカカオ。その中に環境に貢献し、人権を守ることにつながる可能性が秘められていることは、ほとんど知られていない。また、多くの日本人はカカオを生産している南半球の国々が、深刻な気候危機に瀕していること、温暖化がこのままの速度で進めばそう遠くない未来にカカオが生産できなくなってしまうかもしれないことも。
カカオを使った商品を多く展開し、サステナビリティのトップランナーとして長年、様々な取り組みを行なってきた「meiji」だからこそ知るカカオの持つストーリーを紹介することで参加者がサステナブルな未来について身近なものから考え、一歩を踏みだす機会を提供する。
SWiTCHの SNSアカウント(Instagram ・Twitter)発信にて、明治の取り組みに関するクイズ形式の投稿や、イベントの告知を投稿した。
(SWiTCH公式Instagram アカウント:@switch_projects/Twitterアカウント:@switch_projects)
アグロフォレストリーに関するクイズを選択式で出題。回答者はカカオの実とペットボトルで作るマラカスを鳴らして答える形式をとった。さらに実際に現地視察経験のある明治社員が各国での体験や文化を、参加者との自由な対話を通して共有することで、よりリアルに現地の生活を伝えた。また、チョコレートの食べ比べを実施。話を聞くだけでなく体験を通して、日本ではまだあまり浸透していない「アグロフォレストリー」を理解できる場とした。
■ アグロフォレストリーはとても素敵な取り組みだと思いました。ぜひ、今回のようなワークショップを子どもたちに向けて行ったらいいのに、と感じた。
■ あんな大きいカカオポッドから、1枚しかチョコができないということに驚いた!アグロフォレストリーというコンセプトも初めて知った。
■ カカオ農園の人がチョコレートをあまり食べないことは知らなかった。
■ こちらからも現地が見えていないが、現地からもこちらが見えていない双方の不透明性があると思いました!
■ 気にしたことなかったですが、(チョコレートは)産地によって味が全然違う!
■ 農地に行った気分になった!
「アグロフォレストリー」ブースにてチョコレートを食べ比べる参加者・クイズを楽しむ参加者
本物のカカオ豆を触るのは初めての方が多く、楽しくマラカスを鳴らしてクイズに回答してくれました。皆さん真剣な眼差しで話を聞いてくださり、質問も多く、双方向のよいワークショップだったと感じました。
カカオ農家の方の安定した暮らしを提供しつつ、自然も守ることができる「アグロフォレストリー」を、体験を通して伝える良い機会となりました。今後も取り組みを推進していけるのを楽しみにしています。
左/アグロフォレストリーの模型を見せながら解説 右/クイズを出すSWITCH担当者&明治担当者
初めにチョコレートが手に届くまでどんな人が関わっているのかを参加者に問い、自由な意見を出してもらい、その後各工程が書かれたカードを順番に並び替えるゲームを行った。さらに試作で使用する機械を用意し、参加者が工程ごとのイメージを明確にしながら学べるコンテンツを用意した。
■ チョコレートができるまでに多くの工程があることが理解できた。
■ 顔が見える関係というのはとても良いと感じました!カカオの生産工程からカカオ自体には様々な可能性を秘めているなとワクワクしました!
■ 発酵する時バナナの葉を使っていることがとても驚きました。
■ 透明性という言葉の意味が思っていた意味と違っていて、このワークショップで初めて知りました!
■ 作るまでの過程が思ったよりも多くて、勉強になった!また、風味も沢山あり驚いた。
■ チョコレートだけでなくカカオのことを全く知らずに食べていたことに気付けて、非常に勉強になりました。
■ チョコレートが口に入るまでの裏側がわかってたのしかった!
「透明性」ブースにてゲームを楽しむ参加者・機械を見ながら解説する担当者・機械を実際に体験する参加者
クイズやゲームを交えたり、カカオ豆や機械に触れて頂いたことで楽しく興味を持って参加してもらえたと思います。また、明治社員が実際に現地に行って取り組んでいるというお話に共感頂けた方が多くいらっしゃったと感じました。
「透明性」の意味と重要性を知ってもらうためのブースでしたが、機械に触れながらゲーム形式でインタラクティブに楽しく伝えることができたと思います。チョコレートの製造工程の多さや透明性の大切さが印象に残ったというアンケート回答が多く、やりがいを感じました。
左/「透明性」について解説するSWiTCH担当者 右/試作で使用する機械とともに工程を説明する明治担当者
初めにチョコレートに使用されているのはカカオの10%ということ、地球に住む全ての人が日本人のように生活を送ると地球が約3個分必要であることをクイズ形式で紹介。さらに廃棄されているカカオを使った花瓶や食器の紹介、ドリンクの試飲を通してカカオにはチョコレートの製造以外にも利用できる無限の可能性があることを実感してもらった。
そして本ワークショップのメインパートとして廃棄されているカカオの殻(カカオハスク)と様々なスパイスを使った香り袋(サシェ)を参加者それぞれが配合しながら作り、サーキュラーエコノミーを楽しく考えられるような場とした。
右端/カカオハスクを利用したアイテムの展示
■ カカオの残渣が再利用されてることを知れてよかった!他にも活用したいです。特に化粧品に!
■ サシェ制作楽しかったです。
■ カカオハスクはじめ、いろいろな香りが新鮮でとても楽しかったです。
■ チョコレートの生産以外にも、バイオマスとしての利用価値がありそうだった!
■ (カカオを)フルーツとしてジュースで飲めるなんて!
「資源の循環」ブースにてドリンクの試飲をする参加者・香り袋(サシェ)作りを楽しむ参加者
サシェづくりを通じて、参加者の方が資源について考える笑顔溢れるワークショップになったと思います。皆様がとても楽しみながら「ひらけ、カカオ。」の活動やカカオハスクについて知ってもらえたことが印象的です。
参加者の方からもコメントや質問があがり、廃棄物や資源の価値についてともに考えて話し合える貴重な機会となりました。
5歳ほどの子どもから60代の大人まで幅広い年齢の方まで、資源の循環について、五感を使いながら伝えられたと感じました。
左/「資源の循環」について説明するSWiTCH担当者 右/サシェ(香り袋)作りを楽しむ参加者
■ 実際のカカオ豆を前に話してみることで難しい話の理解も進むなと感じました!
■ 環境面と人権面の双方で持続可能性について、真剣に楽しく取り組まれていることがとてもよく分かった。
■ 明治さんのチョコレートを私自身美味しいという理由だけで買っていましたが、こんなにも人権問題や環境問題などに取り組んでいて、チョコレートを食べるたびその深さを感じることが出来ると思いました!
■ 誠実な取り組みをされているなと実感しました。
■ すごく変わりました。応援したくなりました。
■ 元々好きでしたが、もっと好きになりました!
■ 変わりました。大手がSDGs に取り組むまでが本当に大変なので、素晴らしいと思います。
■ 大手さんだからこそできる取り組みは素晴らしいと思います!ぜひ続けてほしいです!
■ 安心して買うことができると思いました。
■ 変わりました!カカオだけじゃなくてそこから派生する問題や課題に向き合っているのが魅力的でした。
■ 生産現場とのつながりを大事にされていることを知りました!
■ 生産者の環境を守ることにフォーカスしていたことがとても印象的だった!
■ がんばれ明治!地道さに感動しました。
■ 変わりました!大企業である明治さんの環境に対する熱い思いを知ることができました!
■ 彼らの経済性が重要。
■ 全ての農家さんがフェアトレードだと良い。
■ みんなの人権が守られればいいなと思う。
■ 現地調査などをしているとを初めて知った。
■ 気候が変わりカカオが作れなくなったらどうなるのか。
トークセッション&ディスカッションの様子
Z世代はもちろんのこと、予想よりも親子での参加が多く、幅広い世代に楽しんでもらえた。今後はイベントのテーマに合わせてZ世代である18~27歳になる前の層への集客も積極的に行い、自身の未来を深く考える「第一歩」となる機会の提供も行っていきたい。
ワークショップ形式で行うと共に多数の展示や写真、動画などを用意したことで地球規模の難しい問題を事前の知識や年代に関わらず五感を使って楽しみながら理解する場を提供することができた。さらに実際に明治の商品も併せて紹介したことでイベント後もチョコレートを通したサステナブルな未来に気軽に向き合い、貢献できるきっかけにもなったと言える。
各ワークショップのスタッフの人員やスvvペースの確保は事前の検討により適切に行うことができた。しかし予想よりも多くの質問や対話が生まれ、各ワークショップの時間が20分では不十分であったため、今後はより余裕を持った時間設定を行う。
皆さまとともに創り上げた、カカオの未来を考える幸せな空間に感謝
「地球のことを自分ごとに」をMissionに掲げるSWiTCHの皆さまとは、6月からお互いの取組について情報交換を開始しました。我々明治がおよそ100年にわたり関わってきたカカオ・チョコレートのビジネスはMAPAと関係の深い産業であり、貧困や森林破壊の抑制は大きな課題です。両社の取組を若ものに知ってもらいたいという共通の目標のもと議論を重ねました。
我々明治のカカオチームは、「カカオの可能性を追求し、カカオに関わる全ての人を幸せにしたい」という想いで日々の活動を行っています。
2006年より継続している「メイジ・カカオ・サポート」では、カカオ生産地で起こっている様々な課題に対し、明治社員がカカオ農家の皆さんと議論し、解決策を見出し、行動しています。困っている人がいると放っておけないのが明治のスタッフです。カカオ農家の現状や彼らとのモノづくりへの想いはお客さまに伝えたい、だけど生真面目で表現下手だから上手く伝えられない。こんな我々にSWiTCHの皆さまが手を差し伸べてくれて、若者に楽しく面白く、想い出に残るワークショップを一緒に考えてくれました。そして、構想3カ月、練りに練ったイベントが「YOUTH×meiji SWiTCH MEETUP」です。
アグロフォレストリー・透明性・資源の循環の三つの視点で構成されたワークショップは、実際に手で触れ、体験しながら考える仕掛けがあり、楽しい思い出とともにカカオ農家さんや、我々明治の活動が記憶に残る工夫が施されました。一方通行の授業に慣れ過ぎた私のようなオジサンからは出てこないアイデアです。そして、参加された皆さまからいただくワークショップでの疑問・質問、そして笑顔と笑い声に感動を覚えました。
今回参加いただいた皆さまには、さらに知ること・消費すること・伝えることを通じて、明治と関わり続けていただけるとうれしいです。またお会いできるのを楽しみにしています。
スローガンは「ひらけ、カカオ。」