渋谷を冷やすために 世代・業界をこえてつながる
「SHIBUYA COP」は、毎年COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)に合わせて開催しており、今年で5年目を迎えます。 地球1つで暮らしていくための世界的な潮流を伝え、暮らしや仕事の中での具体的なアクションにつなげることを目的としています。 今年のテーマは、「IN UNISON — 渋谷を冷やすために 世代・業界をこえてつながる」。 今年も酷暑が続き、東京の10月平均気温は100年前から5℃上昇しました。季節の感覚だけでなく、日本の暮らしや文化にも大きな変化が生まれています。エネルギー消費量の多い国際都市・渋谷だからこそ、都市のサステナブル化は喫緊の課題です。 本イベントでは、11月にブラジルで開催されたCOP30の最新情報を共有し、若者 × 企業(団体) × 自治体 × アカデミア がつながり、「渋谷を冷やす」ための実践へと踏み出すきっかけを創出しました。
国連事務総長気候変動担当若者諮問グループ
COP30の中でも特に重要な二つのメッセージに焦点を当ててお話しします。第一に、短期的に世界の平均気温が1.5度の上限を上回ることが明白になっているという緊急性についてです。しかし、緩和対策を拡大すれば今世紀末までに1.5度未満に抑える機会は残されています。これが二つ目につながります。パリ協定の実現のためには先進国が資金などの支援を拡大することにより解決に導けるということです。日本も重要な役割を担っています。
元 国連事務総長気候変動担当若者諮問グループ
COP30は今世界が直面している混乱を象徴するような出来事が起きたと考えられます。また、多くの成果が生まれました。2035年までに気候変動の適応資金を3倍に引き上げるという決定やシャスと・トランジションを支えるメカニズムが設立されたことです。これらは確実に正しい方向への一歩であると考え、今後約束から実行へと移すことが課題となります。また、熱帯雨林保全ファンドが設立されたことも非常に重要です。
渋谷区長
1972年渋谷区神宮前生まれ。株式会社博報堂退社後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを設立。原宿・表参道から始まり全国60ヶ所以上でゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を実施。2003年に渋谷区議会議員に初当選、3期12年務める。2015年、渋谷区長選挙に無所属で立候補し、当選。現在3期目。
11月にブラジルで開催されたCOP30に現地参加した4名の登壇者がCOPの最新情報と脱炭素の国際潮流について生の声でお伝えします。
COP30はブラジルのベレンで開催され、当初は集客や治安面での不安もありましたが、ジャパンパビリオンには多くの来場者が訪れ、活気のある場となりました。パビリオンでは、日本企業の技術を中心に、温暖化対策や資源循環、衛星モニタリングなどの具体的な取り組みを紹介しました。また、セミナーを通じて、日本の政策や考え方も発信でき、国際的な対話の場として手応えを感じました。
ジャパンパビリオンでは、気候危機に対する啓発活動と環境教育をテーマにセミナーを実施しました。さらに、国連SDGsパビリオンに登壇し、環境教育に活用できるアニメーション「FUTUREKID TAKARA」を世界に向けて発信しました。一方で、日本が化石賞を6年連続で受賞し続けている現状から、政策面での課題とともに、次世代への発信の重要性を改めて実感しました。
明治としては今回が初めてのCOP参加となり、今回は後半4日間、ジャパンパビリオンにて、カカオ未活用部位を活かした「カカオ生分解性プラスチック」や「世界初素材化したカカオセラミド」に関する、緩和と循環経済・生物多様性・汚染対応などの共便益に資する技術を展示しました。加えて、20年以上支援を続けているブラジル・トメアスのCAMTA農協によるアグロフォレストリーの取り組みも紹介し、COP終了後には現地を訪問しより理解を深めてきました。
COP30では、各パビリオンを巡りながらネットワーキングを行いました。特に印象的だったのは、韓国パビリオンで、伝統芸術が気候変動から受ける影響を可視化して発信していた点です。また、多様な団体や、農業・食・栄養をテーマにしたパビリオンも多く見られました。今回のCOPは、「自然のCOP」「先住民のCOP」など、開催地ならではの呼ばれ方がされており、会場では先住民族の声が上がる場面も見られました。
チョコレートが世界的に敷居が低いことを実感しました。今回のCOPでは、様々な背景を持つ方々とコミュニケーションをとることができたことが我々としても財産になったと思います。現地の農家の方からも環境の話題が出たりと、ものづくりやマーケティングを行っていく上での基本的な思考を変えていく必要性を認識しました。
COP29との違いとして「食」という点に興味を持っている人が多かったと感じました。また、「適応」への関心が高まっている印象で、ビジネスパビリオンでも適応に関する資金調達について等のブースも見られました。
日本からかなり遠いブラジルで開催された割には、多くの日本人が参加し、明治のようなブラジルに深く関わっている企業がCOPに参加されていたのも印象的でした。
「真実のCOP」という点において、科学者の声にどれだけ耳を傾けられるかが、アマゾンを助ける一歩になると思います。アマゾンが消滅すると人類への影響は大きいです。アマゾンについても自分ごととして捉えていくことがとても大切だと改めて実感しました。
環境省地球環境局 企画官
脱炭素・環境分野での国際協力を担当。国際機関と連携した脱炭素プロジェクトを多く実施。気候変動COPでは、ジャパンパビリオンのセミナーや技術展示の総括を担当。
株式会社NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
88年NHK入局。NHK環境キャンペーンの責任者を務め、21年より現職。気候変動をテーマに「2030 未来への分岐点」、「1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために」などの番組を制作。著書に「脱炭素革命への挑戦」。
株式会社 明治 カカオマーケティング部 CXSグループ長 (Cacao Transformation with Sustainability)
2001年入社。2014年よりマーケティング戦略立案・実務を担当。明治ミルクチョコレートなどブランド戦略やカカオ文化啓発に従事。現在は、食品に留まらないバリューチェーン全体を包含した「ひらけ、カカオ。」を推進。
株式会社電通グループ グループサステナビリティオフィス ディレクター
入社以来、パブリック領域の業務に従事。特に環境政策に精通し、脱炭素領域においては、中央省庁のみならず、 民間企業への支援・連携案件にも数多く携わる。また、電通グループ自身や広告業界・マーケティングソリューション の脱炭素化に向けた「Decarbonization Initiative for Marketing」を立ち上げ、業界連携・横断での活動を積極的に推進中。
一般社団法人SWiTCH 代表理事
1995年⽣まれ。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン⼤学院 サステナブル開発専攻 卒業。 Mock COP26 グローバルコーディネーターとして140カ国の若者に呼びかけ、COP26で環境教育サミットを開催、国際的に注⽬を浴びる。2021年 ⼀般社団法⼈SWiTCHを設⽴。2023年 Forbes JAPAN 30 UNDER 30に選出。 COP26・COP28・COP29⽇本代表として参加。⽇本学術会議連携会員(特任)。NHK国際放送番組審議会委員。
食品メーカーやスポーツ業界・環境省、様々な立場から気候変動「適応」に取組む3名に現在取り組んでいる適応策とこれからの適応策のあり方について語っていただきます。
地球温暖化対策には「緩和」と「適応」の2つがありますが、今回は特に「適応」に焦点を当てて議論します。近年、熱中症や豪雨が増えていますが、気候変動を「止められないから仕方ない」という後ろ向きの対策ではなく、新しい技術や社会の繋がりを生み出す前向きな姿勢で捉えたいです。
サントリーで「GREEN DA・KA・RA」ブランドを担当しています。長らく熱中症啓発活動を続けており、特に、子どもの高さで計測した気温は大人より約7℃も高くなる、子ども特有の暑熱環境を「こども気温」と称し、東京都などと連携して熱中症対策啓発を強化しています。
サッカーの現場では、夏はピッチの人工芝が溶け、子どもが火傷をするような過酷な状況です。適応策として、試合中の給水時間を設け、夏のキャンプ地を沖縄から涼しい北海道白老町に変更しました。また、暑さへの対応が大きな要素となり、Jリーグ全体でも2026年から秋春制へシーズン移行を予定しています。
昨年は観測史上最も暑い夏となり、熱中症の救急搬送者が調査開始以来最多の10万人を超えました。気候変動の影響は、子どもが7℃高く感じるように、弱い立場の方ほど大きな影響を受けます。食料、水、災害など広範な分野で影響が生じており、これに対応する対策が「気候変動適応」です。
「水と生きる」をコーポレートメッセージに掲げるサントリーとして、水資源の適応策は重要です。国内工場が組み上げる地下水量の2倍以上を育む「水源涵養活動」に20年以上取り組んでいます。また、災害備蓄へのハードルを下げるための考え方として、普段からいつものものを少し多く買っておく「ちょ備蓄」の啓発活動も始めています。
豪雨や台風による試合の中止は2017年以前と比べ約4.7倍に増加し、地域経済にも大きな影響があります。私たちは発信力を活かし、有識者懇談会を開いて環境戦略を策定中です。FC東京スクール生への「適応教育」や、選手による啓発を通じ、多くの方を巻き込みながら取り組みを加速させたいです。
ご紹介いただいた取り組みは全て、私たちが安心して生活し、より良い暮らしを作るための適応策です。企業による商品やサービスを通じた発信力には強みがあり、ぜひ私たちも学ばせていただきたいです。行政だけでは難しく、企業や団体などをコミュニケーターとして連携を深めていく必要があります。
井島様や川岸様の発言から、企業が業界を超えて、また地域社会と連携し、新たな適応策を生み出す重要性を実感しました。プロスポーツが持つ発信力は、気候変動対策に取り組む上で強力な武器となります。登壇者の皆様との対話を通じて、「適応」が単なる防御策ではなく、新しい価値創造の機会であることが明確になりました。
環境省 地球環境局総務課 気候変動科学・適応 室長
2002年環境省入省。国内の二か所の国立公園における現場勤務を経て、小笠原諸島や奄美の世界遺産登録などに貢献。海外勤務はナイロビにて国連環境計画を担当。ネイチャーポジティブ関連施策の企画立案と東北における現場実装に携わり、2024年7月より現職。ネイチャーポジティブと気候変動適応の相乗効果の最大化を追求している。
東京フットボールクラブ株式会社 代表取締役社長
NTTドコモ、リクルートを経て、2022年2月より東京フットボールクラブ株式会社の代表取締役社長に就任し、クラブの成長を推進。
サントリー食品インターナショナル株式会社 ブランドマーケティング本部課長
2001年にサントリー入社。営業・酒類マーケティングなどを担当し、2022年からサントリー食品インターナショナル ブランドマーケティング本部課長としてGREEN DA・KA・RAブランドを担当。
SWiTCH学生メンバー 企画部
2003年生まれ。東京大学農学部国際開発農学専修在学。SWiTCHでは「渋谷で感じる海」プロジェクトや、「サステナKIDS AWARD」の企画・立案に携わる。
地球温暖化を緩やかにする「緩和」と自然を増やす「ネイチャーポジティブ」について都市での実践をテーマに語っていただきます。
最後のセッションは「都市のネイチャーポジティブを推進するテクノロジー」をテーマに議論します。ネイチャーポジティブとは、自然を今より増やしていくという考え方です。このセッションでは、温暖化をゆるやかにする「緩和」と、自然を増やす「ネイチャーポジティブ」の両方の視点から、都市がどう変わるべきかを議論していきます。
渋谷を中心に、周辺の緑地資源と調和した「エコロジカルネットワーク」の形成を目指しています。都市のネイチャーポジティブを進める鍵は、参加者が楽しく取り組めることです。実際に、空調室外機の間でサツマイモを育てる「室外機芋」を実施したところ、省エネ効果に加え、参加者の満足度が高まり、建物の好感度にも繋がることがわかりました。
2027年に横浜で開催される「GREEN×EXPO」の推進戦略を担っています。この博覧会は、テーマである「幸せを作る明日の風景」の実現を目指し、カーボンニュートラルやNature-Based Solutionsの実装を目指します。市民がボランティアやワークショップを通じて生物多様性の重要性を学び、社会を変えていくという参加型の仕組みを鍵としたいです。
デンマークでは、デジタル化をGXの重要なツール「デジタル・グリーン・トランジション」と位置づけ、データを活用しています。都市の自然を増やす鍵は、自治体だけでなく、民間企業や市民個人の「オーナーシップ」を持つことです。コペンハーゲンでは、生物多様性のマッピングデータを市民に公開し、市民が在来種の種を植えるなど、個人が小さなスペースで多様性を増やすイニシアティブを支援しています。
地球規模では、2035年の目標を全て達成しても2100年には2.3℃〜2.5℃の上昇ペースであり、1.5℃目標とは大きなギャップがあります。しかし、都市の自然回復は、この『緩和』と『適応』の両方に効果的であり、中心的な役割を担い得ます。特に、都市の自然回復が気温を下げエアコン需要を減らすといった緩和と適応の「シナジー」が重要です。
都市が自然を取り戻すためには、『緩和』と『適応』の視点を統合することが鍵です。屋上緑化はヒートアイランド対策(適応)と、エアコンの電力需要を減らす(緩和)に繋がります。また、テクノロジー、特にITやデータといった「分散したものを繋ぐ技術」は、自然を身近に繋ぎ、人と自然の心理的距離を縮めることができる存在だと考えます。
取り組みを持続的に続けるためには、参加者が楽しく取り組めることが重要です。また、1企業では限界があるため、一緒に取り組める「お仲間」を増やしていきたいです。ご興味や連携の機会がありましたら、お気軽にお声がけください。
この博覧会は、ネイチャーポジティブなどをテーマにした、これからの生活を考える博覧会です。ぜひGREEN EXPO 2027にお越しいただき、単に見るだけでなく参加いただくことで、社会変革に繋げていきたいと思っています。
こういった活動は、複雑である必要も、高価である必要もありません。全ては小さなイニシアティブから始まりますが、それぞれの都市や個人に合わせた活動を通じて、全員がこの多様性の推進に参加できると信じています。
デンマーク王国大使館 副館長兼公使参事官
2023年よりデンマーク王国大使館副館長兼公使参事官。2014年にデンマーク外務省へ入省し、現職以前は北極・北米部でグリーンランド・フェロー諸島・米国・カナダ課長を務めた。過去にグリーンランド政府およびデンマーク海運局に勤務。コペンハーゲン大学にて政治科学修士を取得。
東急不動産株式会社 都市事業本部 環境アセット推進部 環境企画G グループリーダー
1996年入社。不動産賃貸業に関わり、主にオフィスビル・商業施設の運営、リーシング、内装工事などの業務を担当。2016年より現在の現部署にて環境取組みの企画・実行・支援を行う。
東京大学未来ビジョン研究センター 副センター長
1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に勤務。同研究所 気候変動リスク評価研究室長、地球システム領域 副領域長等を経て、2022年より現職。東京大学大学院 総合文化研究科で学生指導も行う。専門は気候科学。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次および第6次評価報告書 主執筆者。
GREEN×EXPO協会(公益財団法人2027年国際園芸博覧会協会) 推進戦略室長
1972年生まれ。1994年建設省入省。造園職として本省のほか国営ひたち海浜公園、青森市役所、東北国営公園事務所などで勤務。2022年よりGREEN×EXPO協会へ出向。
1995年⽣まれ。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン⼤学院 サステナブル開発専攻 卒業。Mock COP26 グローバルコーディネーターとして140カ国の若者に呼びかけ、COP26で環境教育サミットを開催、国際的に注⽬を浴びる。2021年 ⼀般社団法⼈SWiTCHを設⽴。2023年 Forbes JAPAN 30 UNDER 30に選出。 COP26・COP28・COP29⽇本代表として参加。⽇本学術会議連携会員(特任)。NHK国際放送番組審議会委員。
株式会社ドール
「もったいないバナナ」をご存知でしょうか?もったいないバナナとは皮に傷があったり、サイズが異なるといった理由で規格外になって捨てられてしまうバナナのことです。生産地のフィリピンでは約2万トン、本数にすると約1億本が捨てられてしまっています。ドールではもったいないバナナを企業や学校に直接お届けして、一緒にフードロス削減に取り組む「オフィス・デ・ドール」サービスを開始しました。是非、参画をお願いします。 公式サイト:https://www.dole.co.jp/lp/jp/officededole/
株式会社パルコデジタルマーケティング
つながる、つたわる、サステナブル。ということで、企業間サステナビリコミュニケーションツール「wezero®︎」を提供しております。各サステナの分野において企業同士が連携することによって 解決・推進できると考えております。企業間同士のの相互コミュニケーションや情報発信をこのツールにおいて行うことができます。自社だけでは難しいサステナビリティ課題を共同して解決ということに焦点を当てています。
東急不動産株式会社
GREEN VALLEY SHIBUYAというプロジェクトを立ち上げました。ITの集積地である渋谷「Bit Valley」でグリーンテックのスタートアップを育成するプロジェクトです。渋谷駅中心エリアを中心にスタートアップを実証し、その様子ををPRしつつ、国内外からの資金が調達されるシステムです。主にスタートアップ6社を支援していく予定です。
株式会社 明治
COP30のジャパンパビリオンで初めて出展させていただきました。今回出展に至った背景としては、COP30が開催された近郊にあるトメアスーのCAMTA農協への支援がきっかけです。支援内容はアグロフォレストリーによる持続可能なカカオ栽培です。
一般社団法人 SWiTCH
東急不動産ホールディングス株式会社
一般社団法人渋谷未来デザイン
渋谷区
環境省
Future Earth
SHIBUYA QWS
株式会社サイバーエージェント
サントリー食品インターナショナル株式会社
GREEN×EXPO協会(公益財団法人2027年国際園芸博覧会協会)
国立研究開発法人国立環境研究所
東京大学未来ビジョン研究センター